2026年5月9日、TERIYAKI美食倶楽部のメンバー8名で、北新地のとある一軒を貸切にした。屋号も住所も公にされていない、いわゆる「名前のないお店」。一年半前に押さえた席に、ようやく腰を下ろす夜だ。倶楽部の集まりでも、ここまで「予約のハードル」が高い店はそう多くない。

看板も住所もない、北新地の隠れ家
北新地の片隅、看板の出ていない扉の奥に、その店はある。食べログには正規の掲載がなく、訪れるには紹介と事前予約が前提。元「更斬(さらざん)」が移転する形で営業を続けており、現在は1〜2年先まで予約で埋まっているという、文字通りの予約困難店だ。

店主は政次由宇氏。沖縄・宮古島のシギラリゾートで15年間料理長を務めたのち、2020年に北新地で独立した。和を軸にしつつ国境やジャンルにとらわれない作風で、関西の食通の間ではすでに伝説的な存在になっている。

席はカウンター8席のみ。今夜はそれをまるごと倶楽部で押さえた。コース価格はおおよそ4万円台。安くはないが、この一席に座るために積み重ねてきた時間を考えれば、納得感のある対価だと思う。
その日の食材で組み立てる、即興のコース
この店にメニューはない。政次氏がその日に仕入れた食材と、その瞬間のインスピレーションで皿を組み立てていく。和食の文脈から始まったかと思えば、次の皿でふっと洋の調味が顔を出し、また和に戻る——一皿ごとに切り口が変わるのに、コース全体としては不思議と一本の線が通っている。

斬新に見える発想の根には、出汁と調味の確かな基礎がある。だから口に運ぶたびに、旨みの輪郭がはっきりと立ち上がってくる。表面のサプライズだけで押し切る料理ではない。素材の温度、塩の効き方、ソースの粘度——どれもきちんと計算された上で「即興」の顔をしている、というのが正しい。

カウンター越しに政次氏の手元を眺めながら食べていると、ふと、料理というよりは演奏を聴いているような感覚になる瞬間がある。8席という距離感ゆえに、皿が目の前に置かれるまでの所作や、合間の短い言葉までが体験の一部として組み込まれている。「何が出てくるか」を自分でコントロールできない不自由さが、ここではむしろ最大のごちそうだ。
締めは、店主自ら打つ手打ち蕎麦
即興で連なってきたコースを、最後に静かに整えるのが店主自ら打った手打ち蕎麦だ。冷たい蕎麦の角がしっかりと立っていて、つゆの輪郭も澄んでいる。さんざん変則的な味の振れ幅を味わったあとに、この一杯がスッと体に通っていく感じが、たまらなく気持ちいい。

イノベーティブの皿を組み立てる料理人が、最後に蕎麦で締める——という構成は、よく考えるとかなり攻めている。けれど食べてみると、これ以外の終わり方はないと思える。料理の起伏を全部受け止めた上で、観客を静かに席から立たせる、そういう一杯だった。
8名貸切ならではの、濃密なカウンター
貸切の良さは、料理だけに集中できることでもあるし、同じテンポで味わえる仲間がいることでもある。倶楽部のメンバーが揃うと、皿が出るたびに「これはどう来た」「次はどっちに振るんだろう」と、カウンター全体で同じ方向を向く時間が生まれる。

今夜は特に、政次氏のソースの組み立て方や食材の選び方に話題が集中した。初めて訪れたメンバーが「ここまで自由なのに、ちゃんと和食の人のコースだ」と漏らしていたのが印象的で、まさに僕も同じことを感じていた。気がつけば、開始から4時間近くが経っていた。
1年半待ってでも、もう一度
1年半待ってでも、もう一度予約を入れたくなる。北新地の夜に紛れた、稀有な一軒だった。
TERIYAKI美食倶楽部では、こうした予約困難店の貸切オフ会を今後も企画していきます。次回の募集は会員向けにご案内しますので、続報をお待ちください。
名前のないお店
〒530-0003 大阪府大阪市北区堂島1-2-23 ベガアークビル 3階
▼お店の情報は下記のリンクから▼
https://teriyaki.me/articles/11388
グルメアプリ「TERIYAKI(テリヤキ)」やオンラインサロン「TERIYAKI美食倶楽部」、グルメECサイト「TERIYOSE」などの運用を行っています。
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