TERIYAKI

2026年6月11日

昼にしか会えない一杯。赤坂見附「atami」の薪焼きハンバーガーコース


赤坂見附駅の10番出口を出て、歩いて1分。ビルの1階に、昼だけ開くハンバーガー屋がある。「atami(アタミ)」——2023年のクリスマスにオープンした、カウンター8席だけの完全予約制のお店だ。何度通っても、帰り際にはもう次の予約を取りたくなる。今日はそんな僕のお気に入りを、改めて書いておきたい。

薪焼きの名門が手がける、昼だけのハンバーガー

「atami」を手がけるのは、『薪鳥新神戸』や『鈴田式』で知られる末富グループ。薪焼きの名手が集う系列が、その技術をまるごとハンバーガーに注ぎ込んだお店だ。店名は、海を愛するオーナーが熱海にちなんでつけたという。

昼はハンバーガー、夜は薪焼き日本料理「時限堂」。同じカウンターが時間で表情を変える二毛作の店で、ハンバーガーに会えるのは昼だけ。この「今しか食べられない」という感覚も、お店の佇まいの一部になっている。

営業は11時、12時15分、13時30分の1日3部制。実力はすでに折り紙つきで、食べログ「ハンバーガー百名店」にも選出されている。ランチコースは7,800円(税込)。ドリンクを足せば一万円ほどの、れっきとした「ごちそうハンバーガー」だ。そして肝心の予約は——正直に言うと、かなり手強い。

現状はほぼ来店時予約のみ。タイミングによっては10ヶ月〜1年近く先まで埋まっていることもある。気軽に、とはいかないけれど、それでも一度は並ぶ価値がある。

コースで味わう、薪焼きハンバーガー

atamiのハンバーガーは、単品で出てくるわけじゃない。メインの薪焼きバーガーまで、4〜5品が順に運ばれるコース仕立てになっている。

前菜から、すでに楽しい

この日はかぼちゃのスープから。薪の香りをまとった一杯で、やさしい甘みが体に染みていく。続いて、鯵の一皿。最初のひと口から「ただのハンバーガー屋じゃないな」と背筋が伸びる。ブッラータとパイナップルの組み合わせは、ミルクのコクと果実の甘酸っぱさが弾けて、メインへの期待をきれいに高めてくれた。

熟成じゃがいものフライドポテト

そして、見た目はいたって素朴な熟成じゃがいものフライドポテト。これがあなどれない。揚げたてを口に入れると、塩気の向こうから芋そのものの甘みがはっきりと立ち上がってくる。熟成でぐっと凝縮された旨みが、噛むほどに広がっていく。脇役のようでいて、毎回しっかり記憶に残る一品だ。

主役は、つなぎなしの黒毛和牛100%

主役のパティは、つなぎを一切使わない黒毛和牛100%。驚くのは、客が席につく前から、もう薪の前で焼き始めていること。時間をかけてじっくりと薫りを移していくから、運ばれてきた時点で香りの密度がまるで違う。バンズまで薪で焼き上げる徹底ぶりだ。

用意された手袋をはめて、ソースが溢れるのも気にせず豪快にかぶりつく。肉の旨みと薪の薫香が口の中で一気にほどけて、しばらく言葉が出ない。そして面白いのが、食べ終えた後。ひと呼吸おくと、もう一度ふわっと薪の香りが口に戻ってくる。余韻まで設計されているようで、毎回ここで唸ってしまう。

季節の塩バーガーという選択肢

この時期はもう一つ、塩バーガーも選べる。薪火を移した春菊をふんわりと山盛りにして、卵黄と広島の塩で仕上げた一杯だ。雪をかぶったもみの木のような姿で、ぱっと見はかき氷と見まがうほど。ソースで魅せるレギュラーとはまるで別の表情で、軽やかな塩気と春菊のほろ苦さが薪の香りに溶けていく。どちらにするか、毎回ちょっと悩ましい。

ドリンクと、締めのアイス

昼の店だけれど、ドリンクも抜かりない。ノンアルコールビールやノンアルワイン、水出し茶からアールグレイまで揃っていて、昼の一杯にも事欠かない。薪の余韻に寄り添うペアリングを、お酒なしでも楽しめるのがうれしい。

締めは、自家製のとんか豆のアイスクリーム。やわらかくて溶けやすく、口に運ぶとすっと消えていく。濃い薪の余韻に、軽く幕を引いてくれる一皿だ。

また、予約を取りたくなる

前菜からデザートまで、全部が薪の香りで一本の線につながっている。たかがハンバーガー、されどハンバーガー。昼にしか会えないという特別感も込みで、何度足を運んでも、また予約を取りたくなる一軒だ。次に取れた予約が、今から待ち遠しい。

店舗情報

店名:atami(アタミ)
エリア:赤坂見附(東京・港区)
住所:東京都港区赤坂3-9-2 No.R赤坂見附 1F
アクセス:東京メトロ赤坂見附駅 10番出口から徒歩1分
ジャンル:ハンバーガー(薪焼き)
席数:カウンター8席
営業:ランチのみ/11:00・12:15・13:30の3部制 ※夜は薪焼き日本料理「時限堂」
予約:完全予約制
価格:ランチコース 7,800円(税込)/ドリンク込みで約10,000円
※情報は記事作成時点のものです。

テリヤキ編集部

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