TERIYAKI

2019年1月13日

探したのは、店から一歩出たとき現実に引き戻されない静かな場所。~堀江貴文VS.鮨職人 鮨屋に修業は必要か?【黒崎一希】~


こんにちは。テリヤキ編集部です。本日のコラムでは、テリヤキスト堀江貴文氏著書の「堀江貴文VS.鮨職人 鮨屋に修業は必要か?」の一部抜粋をお届けします。本日の対談は渋谷・宮益坂にお店を構える『くろ崎』の店主、黒崎一希氏。

黒崎氏は1980年、埼玉県生まれ。18歳で浅草『金太楼鮨』に就職し、鮨の道に入ります。28歳からは下北沢『すし屋魚真』に入り、居酒屋部門の立ち食い鮨も経験。2014年に退職し、2015年に『くろ崎』をオープン。いち早く、つけ場である個室や完全予約制の二部制などを導入。渋谷・宮益坂の路地という立地、黒を基調として白木のカウンターが際立つ内装も他店にはない魅力と言えます。元ラッパーという異色の肩書きも持っています。

このような経歴を持つ黒崎氏とテリヤキスト堀江氏の対談はどのようなものになったのか。

「店の形が頭の中にできあがっていたのでそれを形にしたかった」(黒崎)

堀江:黒崎さんは、浅草の「金太楼鮨」で働いていたんですよね。

黒崎:十年いました。握らせてもらったのは、八年目からです。

堀江:それは長いですね。

黒崎:結構長かったです。完全な年功序列で、下の人間は、握れても、仕事ができても、上の人がいなくなるまで絶対に上がれないっていう仕組みになっているんですよ。

堀江:納得してたんですか?

黒崎:そういうものだと思っていました。高校を卒業してすぐその環境だったので、当たり前なんだと。

堀江:僕なんかは、一切そういう世界にいなかったので、ずっと上がいませんからね。想像できない。握るまで大変でしたね。

黒崎:ずっとウズウズはしていましたね。その間の裏方仕事も今となってはためになっていますが、店を変えようと思ったのもその頃です。ただ、どこかに移るにしても、六、七年でやめると中途半端じゃないですか。十年やって一区切りと思っていました。

堀江:そうですね。頑張れる子っていうのはわかる。握るまでは、料理はできるんですか?

黒崎:握るまではさんざん仕込みをやって、揚げ物とか焼き物もやっていました。その経験は今、提供しているつまみに生きているかも。

堀江:そうか、握り以外はやらせてもらえるんですね。なんだかすごいな……。それこそ、今日『はっこく』に行ったら、デンマーク人が握ったりしていますからね。英語ペラペラの女の子も働いてるし、お客さんには、すごい髪型の、パイレーツ・オブ・カリビアンみたいな人がいたりとか。自由ですよ。

黒崎:今の時代だしいいと思いますよ。ただうちだとハードルが高いかな……。

堀江:いや、自由な時代になったなぁと。いい時代になったと思いますよ。じゃあ、簡単に握れるのは反対?

黒崎:うーん。飲食店なので、お客さんと作り手がいれば成り立つじゃないですか。ですから、ほかの人がとやかく言うことではないと思いますね。修業しなきゃだめだという店も、なくてもできるという店もあっていいと思っています。

堀江:なるほどね。人気店ってなんなんでしょうね。僕、すごく不思議に思うんですけど、鮨屋に限らず、すごくおいしいのに客が入ってない店ってあるでしょう。技術はいいのに頑固な店主がやっているような。同じ頑固でも人気な店はある。

黒崎:はい、ありますね。

堀江:なにか醸し出すものがあるんでしょうね。

「探したのは、店から一歩出たとき現実に引き戻されない静かな場所」(黒崎)

堀江:そもそも、例えば「有名店で○年修業しました」とか、ハクをつけて独立する人が多いじゃないですか。もしくは、最初から銀座でガツンとやるとか。黒崎さんは、王道じゃないルートを通って、渋谷という王道じゃない場所で繁盛店を作っている。なんでそれができたんだろう、というのが気になったんですよ。黒崎さん、ご出身は?

黒崎:埼玉の岩槻というところです。

堀江:お店を出すのに、渋谷とは縁はあったんですか?

黒崎:全然ありません。遊んではいましたけどね。テキーラを飲みに来るところでした(笑)。

堀江:それなのに、なんで渋谷に?

黒崎:もともと代官山で探していたんですよ。

堀江:ますます鮨屋の出店を考える場所じゃないですよ。銀座は考えなかった?

黒崎:僕はまったく考えなかったです。僕の場合は完全にシチュエーション重視だったんですよ。駅からは近いけど、静かな場所。お店から出た瞬間に「あれ、ここどこだっけ」という感じがいいなと思っていて。

堀江:まさに、今のお店がそうですね。うん、酔っ払ってるし「ここどこだっけ」ってなるわ。

黒崎:お店を出た瞬間に人通りや車の通りがあると、急に現実に引き戻される感じがするのが嫌なんです。それは銀座では不可能。

堀江:で、渋谷とはいえ、願ったりの物件が見つかったと。

黒崎:物件を見つける前から、店の形が頭の中で今の形に決まっていたんで、それを実現できるというのも大切でしたね。

堀江:ポイントはどこなんですか?

黒崎:ストレートカウンターですね。L字のカウンターって、奥のお客さんと顔を合わせてしまうじゃないですか。

堀江:ああ、そうか。今気づいたけど、すごくいいですよね。L字やコの字のカウンターって入ったときはもちろん、ずっと他のお客さんに見られちゃうから嫌なんですよ。これ、広めてほしいわ。

黒崎:ですよね!もうひとつ、L字だと角度によって板前の足元が見えてしまうのも、個人的に興醒めだと思っていたので。『すぎた』さんくらい石張りでピカピカならいいんですけどね、なかなかそこまでは……。

堀江:個室カウンターもありますよね。

黒崎:個室は、一組限定なので逆に顔を合わせて話しやすいようにL字です。

堀江:最近、つけ場のある個室も増えてきましたけど、黒崎さんは早かったんじゃないですか?

黒崎:今、個室カウンターがあるお店の人も何人か開業前に見に来ましたね。

堀江:なんで個室を作ったんですか?

黒崎:うちの二番手がもともと握れる子なんで、その子の舞台を作ってあげたくて。カウンターでふたり握ると、それぞれに自分の世界が作りにくいんです。だけど、彼が独立するまで握れないっていうのもちょっと違うな、と思って。

堀江:それはだめですよ、確かに。

黒崎:だけど、僕の名前でやっているわけだし、僕が握るのと二番手が握るのでは話が違う。だから、個室として分けて、彼に任せることにしました。

堀江:なるほど。

黒崎:まあ、商売的にも、個室が埋まらなくてもカウンターが埋まれば成り立つかなという計算もありました。「一応作っておこうか」というくらいの気持ちです。

いかがでしょうか。
「堀江貴文VS.鮨職人 鮨屋に修業は必要か?」では、黒崎氏を始め、日本全国の超人気鮨店の店主とテリヤキスト堀江氏との対談が描かれています。一流鮨職人とテリヤキスト堀江氏との対談はどれも読み応えがあり、何度も読み返したくなること間違いなし!ぜひこの機会に購入されてみては?

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