TERIYAKI

2016年4月9日

もうフランスでもめったに食べられない古典料理を楽しむ会


2016年4月8日、もうフランスでもめったに食べられない古典料理を楽しむ会に参加してきました。

この会の発起人は、テリヤキストでもある大木淳夫さん。最初の挨拶はテリヤキストでもありタベアルキストとしても活動を広げているマッキー牧元さん。

開催レストランは、Les cristallines(レ・クリスタリーヌ)。メニュー構成から当日の解説を行ってくださったのは、レ・クリスタリーヌオーナーシェフの田中彰伯さん。

当日振る舞われたお料理をご紹介します。

以下、料理説明は当日配布いただいた資料より引用しています。

Deux potages.

16世紀・17世紀の2つのポタージュ

写真右側が、16世紀の野菜各種と雷鳥で作られたポタージュ。

左側が、17世紀のキャベツで作られたポタージュ。

1310年ー1650年頃までは完璧なポタージュには相当な量の肉と野菜が入っていて、ブイヨンの中でじっくりと火を通した物が主流であったが、1654年 Nicolas de Bonnefons(ニコラ・ドゥ・ボンヌフォン:ルイ14世の宮廷の側用人で、17世紀のフランスの作家)が述べた「キャベツのポタージュには完璧にキャベツの味がするべきだ」との言葉により1691年からポタージュの定義が決まっていき、17世紀末の特徴として素材の味を重視しようという意欲があげられたそうです。

17世紀のキャベツのみで作られたポタージュはキャベツそのものの味がうまく引き立てられていてやさしい味わい。

16世紀の野菜各種と雷鳥で作られたポタージュは、ひと口食べるとガツンと肉の味が口内に広がるのを感じられます。

Foies-gras en ragout, Accompagne de granite au Tokaji.

ガチョウ・フォアグラのブラウンソース煮 トカイワインと塩花のグラニテ添え

こちらは、Massialot(マシアロ1660-1733)は、フランス料理史に大きな足跡を残した著書で1691年「王室とブルジョワ家庭の料理人」を発表。そのメニューの中に登場した料理「フォアグラのブラウンソース煮」を再現されています。

フォアグラに歴史の古い貴腐ワインのトカイをグラニテにして合わせて。

こってりと濃厚なフォアグラにアルコールの効いた甘いグラニテがよく合います。

Chaud-froid.

ショーフロア

フランス語で、ショーは熱い、フロアは冷たいという意味。

ショー・フロアの歴史は、今から2千年も前に似た様な養鯉があったと言われているところから始まるそうです。

このショー・フロアという名前に関しては依然としていろんな説がとなえられているけれども、一説では、ローマ時代のポンペイ遺跡で発掘された時に残されていたゼリー状の肉料理があったらしく、料理名もラテン語でcalidus frigidus(カリドウス フリギドウス)であり、ショー・フロアとぴったり同じ名前なのだそうです。

今回は、1759年、元帥リュクサンブール公が自宅のモンモランシーの館で夕食中ヴェルサイユ宮殿から急の呼び出しを受けた際、深夜になって帰宅すると食べかけの「鶏のクリーム煮」の鶏肉とソースがゼリー状に固まり輝いている様に食欲をそそられたことをきっかけに、料理人に命じてメニューの一つに仕上げさせたといういきさつのある料理を再現。

ゼリー状に固められた鶏肉と一緒にトリュフがちりばめられていて、芳醇な香りとともに。

Oafs de faisan. Creme de caviar presse.

キジの卵とプレスしたキャビアのクリーム添え

18世紀頃までは、雉の狩りや雉料理を食することは貴族のみが許されることであり、民間人に許されることのできないものであった。

プレス(押しつぶした)キャビアは濃厚な味でたっぷりの生クリームと合わせると美味しい。

今回はフランス貴族が喜んで食べた雉の卵料理とロシア貴族が好んで食べたキャビアとの融合料理を再現。

フォークを入れると中からとろりと雉の卵がでてきて、キャビアの塩気とともに。

Filets de sole, sauce aux crevettes.

フランス・ドーバーソールとエビのソース

 

エスコフィエの師匠のユルバン・デュボワが1860年「古典料理」の中で紹介している物を再現。

この海老のソースは、30年後には弟子のエスコフィエに「アメリカンソース」と名付けられたそうです。

Deux de pieds de cochon a la Sainte- Menehout. Sauce Espagnole.

豚の足・サント=ムヌウ風 初期のエスパニョールソース

豚の足を柔らかく煮込んでパン粉をつけてグリルして食べる料理。
1791年フランス革命時のヴァレンヌ事件でルイ16世が最後に愛した料理と言われているそうです。
18世紀後半頃まで、この料理を貴族たちがアレンジして愛した。その中の柔らかく仕上げた豚の足の骨を取り抜きフォアグラとトリュフを詰めてパン粉で焼いた料理を再現。
ソースが濃厚で付け合わせのパンを何度もおかわりしてしまうほど美味しい。
このソースは、初期のエスパニュールソース。

スペインのソースは1660年フランス国王ルイ14世と結婚をしたスペイン女王が、祖国の料理人をフランス宮廷に連れてきた時に始まった。スペインジンの「焦がしたソース:小麦粉を炒めて唐辛子を効かせたソース」がフランス宮廷に入る。今回はこの初期のソースを再現。

田中さん曰く、スペインのソースが存在していなければ現在のデミグラスソースの存在は難しかったのではないかとのこと。
1791年フランス国王の終わりに愛した豚の足の料理と、1660年フランス国王がスペイン女王との結婚で得た新しいソースを融合した料理です。

Mangue au vin rouge.

マンゴーの赤ワイン漬けジャン・コクトー風

ジャン・コクトー(1889-1963)が愛したデザートPeches de vigne au vin roug. ブドウ園の桃の赤ワイン漬けがある。ジャン・コクトーは桃がない時にはマンゴーで作ったと言われている。
今回は桃が無い時の代用品、マンゴーで再現。
上に乗っているパリパリとした生地をスプーンで崩してアイスクリームと一緒にマンゴーの赤ワイン漬をいただく。
程よい甘さで美味しい。

そして最後に食後のコーヒーを頂いて食事会は終わります。

どの料理もこれまで食べたことの無い料理ばかりで意表を突かれ、食材をどのようにして組み合わせるかの試行錯誤や調理法などを知り、古典料理を身近に感じることができたのではないでしょうか。

今後の美食倶楽部の活動に注目です!

 

テリヤキ編集部

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