渋谷から井の頭線で20分程の場所にある住宅街、「久我山」。落ち着いた雰囲気が魅力のこの街に、日本全国から食通が集まる割烹がある。その名も、「器楽亭」だ。
駅から3分ほど歩いたところに佇む店の暖簾をくぐると、カウンター8席とテーブル16席のこぢんまりとした空間が広がっていた。
「器楽亭」は店主の浅倉鼓太郎氏が、「お酒に合う料理は、お酒を飲む人が考えた料理じゃないと。」と始めた店だ。
今回はそんな店のカウンターで、種類豊富な日本酒とそれらに合う絶品料理の数々を堪能してきた。
一品目は、茶碗蒸し。
出だしにふさわしく、優しくほっとする味わい。
続いては、八寸。
白和えにしたシャインマスカット、ちまき、卵黄の出汁醤油漬け、明太子 酒粕、モロコのフライ、タコ 、カラスミなど。
彩り豊かなだけでなく、どの料理も非常に繊細に作られていて美味しい。
なまこと加賀野菜である金時草の酢のもの。
さっぱりと上品な一皿。
石川県の香箱蟹。身がふっくらとしていて食べ応えたっぷりだ。
卵も味わい深い。
松葉ガニのしんじょうは、出汁の効いた味わいで温まる一品。
海老をブランデーに漬け込んだという、伊勢海老の酔っ払い。
酒好きの店主、浅倉氏ならではの一皿だ。ブランデーの持つ独特なコクが呑兵衛にはたまらない。
ぶりとイカの刺身。
和牛のランプと富田林の山芋。
ランプは焼き加減が絶妙で、お酒がどんどん進む。
魚を豪快にサンドして作った、フィレオフィッシュ。
旨みたっぷりのサンドを頬張りながらいただくお酒もまた美味しい。
〆には、しらすご飯が炊かれて出された。
そのままいただいた後いくらをトッピングすると、味わいが変わり2度楽しめる。
いくらは弾力たっぷりで、ご飯との相性が最高であった。
残ったご飯は、持ち帰り用のおにぎりにしてくれるのも有難い。
デザートには、プリンと苺が出された。
店主の浅倉氏は「器楽亭」をオープンする前、さまざまな日本料理店で食べ歩きをし、独学で和食を勉強した料理人。
ベースのしっかりした日本料理の数々は、一皿ずつの量も丁度良く、旬の食材をセンス良く合わせているのが印象的であった。
また蟹をはじめとする魚介は、金沢から直送されたものを使っているため、新鮮でどれを食べても美味しかった。
品揃え抜群のお酒とともに、どの料理も終始気持ちよく楽しめたため、酒好きとしてはぜひ今後も通いたい名店だと感じた。
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