TERIYAKI

2018年11月27日

熟成鮨の先駆者「すし 㐂邑」で官能的な旨味に酔いしれる!


ミシュラン5年連続2つ星獲得の予約の取れない鮨店といえば、二子玉川の「すし 㐂邑(きむら)」だろう。鮨好きの中では知らない人は居ない名店だ。テリヤキスト本田直之氏もかねてから太鼓判を押す。
熟成鮨ブームを作り上げた第一人者である木村康司氏が握る鮨とは、どんなものか。
かつて天ぷらの名店「美かさ」で修業した経験をヒントに、魚を熟成させるノウハウを5年の歳月をかけ独自に編み出したという究極の仕事がされた鮨を、今回味わうことができた。

清潔で落ち着いた店内の席は、カウンター9席のみ。期待に胸が高鳴る。

「すし 㐂邑」は、握りに入る前につまみが何品か登場するスタイル。
また日本酒にもこだわっているため、料理に合う酒を大将に聞き、一緒に楽しむのも一つの楽しみ方だ。

北寄貝と蛤の温かいスープ。貝のダシの柔らかい風味を感じることができ、体の中からじわりと温まっていく。

濃厚な牡蠣の味を存分に味わうことのできる牡蠣バター。この時期ならではの贅沢な味わい方だ。日本酒も進む。

鹿児島出水の赤雲丹をたっぷり乗せた雲丹蕎麦。奥深い雲丹の味と腰の強めな蕎麦が相性抜群の一品。

ナメタガレイの焼き物。淡白な味の中に脂の美味しさも感じられ、バランスの良い味に仕上がっていた。

白子のリゾットは、酢飯を使用した大人の味わい。酢の効き具合、米の硬さも絶妙で白子とのマッチングが素晴らしい。仕上げにかけてあるカンボジアの胡椒が、ピリッと良いアクセントになっている。

お酒と楽しみたい、渡り蟹の塩辛。ほどよい辛みで味わい深い。手で殻をもって中身を豪快にすすって頂く。

ここからはいよいよ握りのスタート!

まずは手渡しで赤酢を使った酢飯の海苔巻きから。やや硬めのシャリに、柔らかくまろやかな酢の味を感じることができた。これだけでも十分美味だ。

4週間熟成させたという鰆(さわら)の握り。艶やかな身は柔らかく、ほんのり甘みを感じた後に酸味もついてくる。熟成の凄みを早々に感じる一品。

お次は甘鯛(しらかわ)。サッパリとした中に熟成ならではの上品な甘みも感じることができる。

半透明な身が光を放つサヨリ。

5日間熟成させたかわはぎは、肝入り。甘さの中の独特の風味がたまらない。

大将の木村氏。鮨を握りながら自身の鮨に対する想いや、熟成に辿りついたきっかけなどを語ってくれる。

筋子。4週間寝かせたという身は熟れて赤みを帯び、美しく光っている。

燻製が効いた鰹。口の中で風味豊かにほどけていく。

熟成されブロンズのようにくすんだ色が美しい、いわし。酢とのバランスが素晴らしい。

最長2カ月熟成させるという、マカジキ。熟成ならではのくすんだ色味が印象的だ。
口に含むと今まで味わったことのない強烈なうま味を感じ、しばらく後を引く。熟成の醍醐味を感じる究極の一品。

いかがだろうか?

実は大将の木村氏が熟成鮨を店で出すようになるまでは、結構な時間がかかっている。
最初は普通の鮨を握っていたものの自身の武器となるものがなく、方向性を模索する中、一般的な鮪や老舗の得意な〆ものの小肌以外で勝負したい、と思いついたのが魚を熟成させ鮨にするというスタイルであった。
そこから全くのオリジナルで鮨のための魚の熟成の方法を編み出し、唯一無二のジャンルである「熟成鮨」が誕生したという。

大将や店の背景にあったドラマを知りながら、堪能する鮨はダイナミックで何より有難い。口に入れた瞬間に感じる、最大限まで引き出された とろけるようなうま味と、じっくり寝かせた魚ならではのまったりとした甘みを感じれば、たちまち官能的な㐂邑の鮨に魅せられること間違いなしだ。

 

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