静かな川沿いの中華割烹で、心が整う夜
──東日本橋「旬華 なか村」にて
「ここ、中華っていうより“割烹”なんですよ」
そう耳打ちされながら暖簾もない扉を開けた瞬間、空気が少しだけ張り詰めた気がした。川沿いの静かな一角。店の名は【旬華 なか村】。TERIYAKI美食倶楽部のオフ会でなければ、たぶん一生たどり着けなかったかもしれない。
店内はわずか10席。カウンターが6、奥のテーブルが4。無駄を削ぎ落とした空間に、ほんのり温かい照明。目の前には包丁を静かに構える中村俊徳シェフの姿。時計の針の音さえ聞こえそうな静寂の中、9品のおまかせコースが始まった。
名物チャーシューは「塊」ではなく「余韻」だった
一皿目から驚かされたのは、“いかにも中華”な油や香辛料のインパクトではなく、じんわりと身体に染みるような滋味。
名物のチャーシュー。これがまた、一般的な“焼き物”の概念を覆してくる。蜜で幾度も焼きを重ねた豚肩ロースは、外は照りが美しく香ばしく、中はふわっとほぐれる。噛むというより“含む”感覚。鼻から抜ける香りと、舌に残る甘やかな余韻に、会話が自然と止まる。
中華料理というより、“一皿の静かな詩”みたいな存在だった。音を立てることが、ちょっともったいない。そんな時間が、ゆっくりと流れていく。
「香港で習ったのは、プロの料理じゃなく家庭の温度感でした」
途中、料理の合間に中村シェフが語ってくれた。
「香港ではレストランより、家庭の台所を観察してたんです」
彼は横浜中華街、マンダリンオリエンタル東京を経て、香港では名もない家庭料理に惹かれたという。技巧ではなく、人の温度。プロの華やかさではなく、日常の深み。そんなものを追い求めて、今の「割烹スタイルの中華」が出来上がったらしい。
「手を加えすぎず、でも工夫は怠らない。食べ終わったあとに、静かに“ああ、美味しかったな”って思ってもらえたら」
その想いが伝わってくる料理ばかりだった。金華ハムの旨みが溶け込んだ蒸しスープも、見た目は何でもないのに、口にした瞬間「あ、これ……」と心が反応する。言葉にしにくいけれど、体が正直に喜んでる感じ。
“10席だけの舞台”だからこそ生まれる、感情のゆらぎ
大げさじゃなく、この空間には“整う感覚”がある。目の前で火を入れ、香りが立ち、盛り付けられ、そして手渡される。
そして何より印象的だったのは、「お店の方との距離感」。話しかけすぎない、でもこちらが聞けばちゃんと答えてくれる。お店と客席の境界線が、すごく自然に溶けている。
美味しさを共有できる“場”があるという贅沢
料理って、味だけじゃないんだと思う。
誰と食べるか、どんな空間で出会うか、どういう話をしながら過ごすか——すべてが揃ったとき、ようやく「記憶に残る体験」になる。
今回のTERIYAKI美食倶楽部のオフ会は、まさにその象徴だった。自分一人では到底たどり着けなかった店。仲間と共に過ごす静謐な夜。語らずとも分かち合える感動。
旬華 なか村。華やかさはないかもしれない。でも、その奥にある“本質の美味しさ”に気づかせてくれる店だ。
この場所を体験できたこと、それ自体がすでに特別だった。そして次の特別が、またこのクラブの中で始まっているのかもしれない。
旬華なか村(シュンカナカムラ)
東京都中央区東日本橋2-11-7 ラスパシオ東日本橋リバーサイド 1F
▼お店の情報は下記のリンクから▼
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