TERIYAKI

2020年5月25日

【後編】はっこく 佐藤博之氏 VS. 堀江貴文〜堀江貴文VS.鮨職人 鮨屋に修行は必要か?〜


【後編】はっこく 佐藤博之氏 VS. 堀江貴文〜堀江貴文VS.鮨職人 鮨屋に修行は必要か?〜

こんにちは。テリヤキ編集部です。本日のコラムでは、「堀江貴文VS.鮨職人 鮨屋に修行は必要か?」の一部抜粋をお届けします。本日は東京にお店を構える『はっこく』の店主、佐藤氏と堀江氏との対談となっています。

 

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佐藤 博之/HIROYUKI SATOH

1978年、東京都出身。グローバルダイニング『ゼスト』などでアルバイトをし、飲食店のサービスに開眼。25歳で神泉『秋月』に入り、本格的に鮨職人としての修行をスタートさせる。その後、肉とマグロの店『尾崎幸隆』などを経て、銀座『鮨 とかみ』では初年度にミシュランガイドの星を獲得し、話題に。2018年2月、同じく銀座に『はっこく』をオープン。「白黒はっきりつける」という意味の店名はONE OK ROCKのTAKAさんによる命名。

 

「たまたま堀江さんに声をかけてもらってWAGYUMAFIAと世界中を旅!」(佐藤)

堀江:その後、一年くらいブラブラしてましたよね_

佐藤:してましたね。物件がみつからなくて。最初から、現在のスタイルの、ウェイティングスペースとかカウンター三つを考えていましたから、広さも必要。場所は銀座しか考えていないし。なかなかないですよ。

堀江:銀座でしかやりたくないっていうのはなぜ?

佐藤:日本一の繁華街で、鮨の文化があって、鮨職人なら誰もが一度は目指す場所。『とかみ』で銀座に来られたからには、銀座ですよね。離れて「また戻りたいなぁ」なんて後悔するのは嫌ですから。それに、銀座で認められれば、世界から認知されますからね。

堀江:確かにね。

佐藤:それで、その一年の間に、堀江さんと世界を回らせてもらって。

堀江:WAGYUMAFIAとのコラボでね。一緒にパリとかプーケットとか、マカオも行ったよね。

佐藤:カリフォルニアもね。

堀江:そうかー、結構行ってるね。

佐藤;不思議ですよ、普段店でジッとしていなくちゃいけない仕事の鮨職人が、たまたま声かけていただいただけで、一緒に世界を旅できて。七、八カ国くらいは行かせてもらいましたよね。すごくいい経験になったし、人とのつながりもできました。

堀江:そういえば、今、デンマーク人のスタッフがいるよね。

佐藤:僕の知り合いで『NOMA』でソムリエをやっている子がいて、その子が一緒に働いていたシェフです。

堀江:へぇ!

佐藤:和食をやりたいってメッセージをくれて、ちゃんとビザをとって、オープニングから働いてくれました。

堀江:もうつけ場に立ってるの?

佐藤:そうです。僕が握るのより少し安い値段でひととおり。もうすぐ帰国してしまうので、最後の二ヶ月はしっかりお客さんにサービスしてもらっています。そこがなによりも大事な修行でしょう。

堀江:そりゃそうだよね。

佐藤:鮨職人はお客さんに育ててもらいますから。彼も皆さんに応援してもらっています。二◯十九年の六月にはデンマークでオープンする予定らしいですよ。

 

「海外のお客様はワクワクが伝わってきてすごく好きなんです」(佐藤)

堀江:お客さんの海外率はどれくらいなの?

佐藤:うちはあまり高くなくて、一日にひと組いるかいないかです。

堀江:意外だな。そんなもん?

佐藤:海外からの予約って、旅行の計画を立てている三ヶ月以上前か、逆に直近じゃないですか。うちは二ヶ月前からの予約でだいたい埋まってしまうので、微妙に入れないんですよ。海外のお客様はすごく好き何ですけど。

堀江:へぇ、好きなんだ。

佐藤:カウンターごしに、ワクワクが伝わってくるんですよ。楽しみに食べに来てくれているのが伝わってくるのがすごく楽しいんです。言葉は通じなくても、向こうの「これから東京で鮨を食べるんだ!」っていう気持ちと、僕の「おいしい鮨を出したい!」って気持ちが行き交う。マナーもすごくよくなってきていますよ。

堀江:そもそも、これだけのものを出すって、世界中で日本じゃないと無理だしね。だからはるばる食べに来るんだもん。

佐藤:そうです。海外に長いこといれば順応したやり方もあるかもしれないけれど、僕はどうせなら伝統の技術を伝えたいし、まず素材が揃わないし。僕は日本で頑張りたいです。

堀江:頑張りたいっていうより、ここでしかできないよ。海外だったら10満円とっても難しいよ。

 

「握りを四十貫出すって、相当ヤバい」(堀江)

堀江:握りを四十貫(現在は三十貫)とか出すのって、相当ヤバいよね。でも最初は食べられなかったのが、通ううちに不思議と食べられるようになるんだよな~。

佐藤:皆さん、”食べる胃”になりますね。

堀江:でも、本人は当初から後悔していたんでしょ(笑)

佐藤:そうです。大変すぎました。

堀江:これ、唯一無二の勝ちだよ?たぶん、今後も誰もやらないよ。

佐藤:マネされないですかね。

堀江:しないでしょう、絶対に。大変なのがわかるもん(笑)。回転寿司とはわけが違うんだから。

佐藤:もう、疲れすぎて追加注文とか一切受けつけないです。

堀江:そうでしょうよ、そいつ食べすぎだし(笑)。

佐藤:お好みもいつかはやりたいんですけどね。そもそも鮨って、好きなものを好きに食べる文化だと思うんですよ。それでほぼ全部のネタを用意しちゃったんです。最初にやったのが四十貫。食べたいものを選んでもらう、というかいらないものを省いてもらう、プリフィクススタイルにしようとした。そうしたらみんな「全部食べる」って……

堀江:そうか(笑)。

佐藤:バラバラに注文して食べてもらうと、時間がかかって食べられなくなっちゃうし、順番も考えなくちゃいけない。これは無理だなと思って、コースとしてまとめたんです。二十じゃ少ないし、四十じゃ多い。だったら三十かなって。それでもいつかはお好みをやりたいんですけど。

堀江:でも、今のお客さんって、お好みに慣れてないでしょう。

佐藤:そうなんですよ。おまかせだとこっちは楽ですけど、例えばつまみで出したネタは握らなかったり、店側の好みになっちゃうのがね。

堀江:三十の内容は毎日変えているの?

佐藤:ちょいちょい変えていきます。季節や、その日の天気によって魚が違いますから。

堀江:全部が鮨で三十種類って、やっぱりすごいよ。

佐藤:僕が修行してきたベーシックな江戸前の仕事をしたものは入れたいし、白身、貝、光り物、甲殻類、マグロ……どう考えても減らせないんですよね。

堀江:そう考えると、逆につまみが多めで鮨十貫いかないくらいのお店って、よく選んでるよね。その中でもマグロ、玉子、穴子あたりは決まっちゃっているわけで。

佐藤:ラクしようとしているわけじゃないだろうけど、ラクだろうなぁと思う店もありますよ。デカい魚を切っているだけじゃないかという(笑)。

堀江:そうか、小さい魚は仕込みが大変だもんね。

佐藤:ヒラメ一枚おろしたら四、五十貫とれます。五十貫とるのに小さい魚を二十五本おろすか、一本おろすかじゃ全然違いますから。これがまた、うちは小さい魚が多いんです。

堀江:ウニ、イクラはラクだね。

佐藤:マグロ、エビもラクですね。つまみも僕はやめちゃいましたからね。キャビアとかトリュフとかで差別化するのとか、嫌になっちゃって。

堀江:すごく凝っているやつもいますからね。鮨屋はまだまだ可能性があるよ。実際に「突先の巻き物」っていう新しいものを出しているわけだから。

佐藤:僕としては、ちゃんとした江戸前鮨を後世に伝えたいですね。

堀江:今、人は何人いるの?

佐藤:五人と、アルバイトですね。

堀江:結構いるんだ。

佐藤:そうですね。カウンターが三ヶ所あるから、僕ともうひとり、貸し切りもあるような感じです。

堀江:三カウンター埋まっちゃうって、よく考えたらすごいよね。

堀江:その人数に鮨を三十種類出すんだから、そりゃあ仕込みだけでも大変だ。佐藤さんはあと何年くらいやるつもり?

佐藤:わかんないですけど、とりあえず借金返すまではやるんないかな(笑)

堀江:あとどれくらいかかりそう?

佐藤:七年くらいですかね。

堀江:結構長いよね。七年あるといろいろと変わるよ。

佐藤:まあ、せっかく作ったので十年はやりたいと思っています。どういうスタイルで続けるかは別として。なにしろ、カウンターが三ヶ所あるという意味では既に三軒やっていますからね。

堀江:ああ、そうか。増やしていったら面白いよね。同じビルにどんどん作ればいいんじゃない?ここ「はっこくビル」にしちゃったらいいよ!

 

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